学校でのオンライン授業等への取組み(2)

令和2年9月議会

質問の結果
・通信環境調査を踏まえたオンライン対応環境の整備
・学校と各家庭とをオンラインでつなぐ取組みの市内各校への拡大

・一人一台端末の整備が済む前の段階での暫定的オンライン対応環境の構築実現


(問)感染対策も踏まえたタブレット等ICT機器の利活用の現状について伺う。
(答)教育長
 3か月間、学校がないという異例の事態、教育史始まって以来の事態である。その間、様々なことを考えた。志野誠也議員が前からご指摘のように、学校でのICTの活用がどれほど全ての子どもの学びを保障するために有効なツールなのかということを実感した。今ある体制の中で学校は様々なICTを活用した取組をしている。また、ここで市のほうの理解も受けて、GIGAスクール構想で1人1台端末が進むことから、その活用を本当にフルパワーで推進したいと考えている。(答)教育部専任参事
現在、学校では、集会や研修会等を開催する際に3密を防ぐ感染症対策としてオンライン会議システムを活用している。具体的には、全校集会を各教室のプロジェクターで映像を投影して、オンライン集会を開催。さらに、市内の教職員の集合研修を、研修内容の映像を配信し、自校で参加するオンライン研修に変更して開催するなど、感染症対策としてタブレット等のICT機器を効果的に利活用している。また、学校臨時休業期間に行ったeライブラリを活用した双方向型の学習は、その効果を十分に認識することができ、ICTを活用した新しい学びのスタイルを推進していく契機となった。現在は今後の同時双方向型のオンライン学習やオンラインホームルーム等の実現に向けて、研究を進めている。


(問)早急な家庭の通信環境調査をお願いした。調査に向けて動き出したと聞いているが、通信環境調査の実施状況及び終わっていれば結果について伺う。
(答)教育部専任参事
 家庭の通信環境調査はすぐに実施した。家庭の通信環境調査の結果ですが、本調査は6月下旬に市内全児童生徒の保護者を対象に実施し、回収率は約98パーセント。調査結果から家庭にWi-Fi環境が整っている割合は全体の約94パーセントであることが分かった。また、子どもが学習に使用できるカメラつきパソコン、タブレット、スマートフォンのいずれかがある割合は全体の約83パーセントであることも分かった。今回の調査結果はオンライン授業を実施する際の貴重な基礎資料となった。


(問)調査結果からは約17パーセントが逆に持っていないと考えると児童生徒の総数から約1700名超の児童生徒には、日中ICT機器がないとも考えられる。仮に1人1台タブレット導入前に、再度学校が休業になった場合の端末貸出しによる全小中学校でのオンライン対応が可能かどうか。(答)教育部専任参事
現時点で市内小中学校にはWi-Fi環境が整っていなくても、LTEモデルのタブレット端末が1740台整備されている。再び臨時休業のような緊急時になった場合でも、学校のタブレット端末を積極的に貸し出し、通信手段として活用したい。児童生徒1人に1台を貸し出すことは難しいが、兄弟がいる家庭への貸し出しなどで工夫することで対応可能と考えている。


(問)各家庭のICT機器が違うと接続するだけでも難しい。各家庭のICTスキルの違いも考えると準備が大切だと考える。オンライン授業等も念頭に、実際に学校と家庭をつなげる試みの検討状況について伺う。
(答)教育部専任参事
学校と家庭をオンラインでつなげる取組を試行的に実施する学校がある。その試みは10月の土曜授業の日の朝、学校と家庭をオンラインでつなげ、オンラインホームルームを家庭で行った後、登校するという計画である。主に家庭にあるICT機器を使用するため、機器の設定や通信の不具合等があることも予想されるが、再び起こり得るかもしれない学校臨時休業になった場合を想定して、その課題をここで整理しておきたいと考えている


(問)オンライン授業を見据えて学校ではどのような準備を進めているのか。
(答)教育部専任参事
 校内でのオンライン授業の実践例として、教室に入れずに別室登校している児童がタブレット端末を使用して、リアルタイムで自分の教室の授業を視聴できる支援を開始している学校があった。また、教室で児童1人に1台のタブレット端末を持たせ、オンライン授業の練習を行った学校もあった。


(要望)自分自身、オンラインで子どもたちと関わる機会があったが、1対多のやり取りではあったが、子どもたちの反応が見にくいだとか、状況によって声が聞き取りにくいだとか、様々な課題があった。教育で行うとなれば課題は確実に出てくると感じる。ICT環境は劇的に変わることになる。さらなる利活用への取組を進めてほしい。加えて、今回の学校におけるオンライン授業の準備は、学校の危機管理にもつながる。地震への備え、大雨、洪水、河川氾濫への備え、それに加えての感染症蔓延への備え。様々な備えをしながら、子どもたちの学びを止めないように工夫し取り組んでほしい。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事