去る6月1日、令和3年6月定例会が開会しました。初日は、市長からの議案の提案説明があり、下記の議案が上程・審議されました。議案27,28,29号、及び報告第2号はそのまま採決がなされ、全員賛成による原案可決となりました。また、議案第30号の補正予算第3号は予算決算常任委員会に付託となっています。
○議案第27号
海老名市議会政務活動費の交付に関する条例及び海老名市固定資産評価審査委員会条例の一部改正について
付託省略・原案可決(全員賛成)
○議案第28号
海老名市市税条例の一部改正について
付託省略・原案可決(全員賛成)
○議案第29号
海老名市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について
付託省略・原案可決(全員賛成)
○議案第30号
令和3年度海老名市一般会計補正予算(第3号)
予算決算常任委員会に付託
○報告第2号
専決処分の承認を求めることについて(令和3年度海老名市一般会計補正予算(第2号))
報告第2号については、実は当初5月半ばに臨時議会で審議がなされる予定でしたが、様々な手違い等もあり専決処分となっています。今回、その点についての質疑が一部でありました。専決処分というのは、一定の条件の下で議会の決を経ずに先行して行政側で事業を実施してしまって、議会に対して後付け報告をするというようなものです。おかしなことをしているのではないかと疑念を持たれると困りますので多少補足をしておきます。
今回、報告第2号となった、令和3年度海老名市一般会計補正予算(第2号)ですが、主な内容は新型コロナウィルスワクチン接種事業に係る移動支援がありました。5月頭頃には、正式決定ではないものの、そういった事業実施のために臨時議会を予定しているのでスケジュール調整をしておいてほしいという事前連絡がありました。ただ、その前後に国によるワクチン接種スケジュール前倒しやワクチン配送スケジュールの確定など、ワクチン接種に向けての様々な動きが起こっていました。行政としては、ワクチン接種に向けた様々な調整に奔走していただいていたことは本当にありがたいことです。そして、そのことに対して議会としても最大限協力しようとしていました。
しかし、ここで問題が発生します。基本的には、事業実施においては予算の裏付けをとった上で行わなければなりませんが、ワクチン接種スケジュールの前倒しのためには、議会での議案可決を前提として先行して広報等の準備を行わなければならない状況になってしまったようです。そこで、先行して準備をしていた広報等を議案可決後に行おうと考えて動いてはいたようですが、その意思伝達が現場の末端までは行き届かなかったために、議案可決前に市民への広報が始まってしまっていました。
議会としては、当然、まだ審議前の内容が実施されるかの如く広報されてしまっては、議会の形骸化に繋がると取られかねません。議案自体には問題は無いものの議長と市長との話し合いの結果、6月定例会初日の市長の発言の通り、議会の招集を取り消して専決処分に変更。6月定例会での報告の形へと変わることになりました。市長が元市議会議員だからというのもありますが、海老名市では、原則として専決処分を最小限にして臨時議会が招集されています。今回は、それが少し裏目に出てしまった感がありますが、全体としてのワクチン接種の流れについては高齢者の7月末までの接種にも目途がついてもいます。エッセンシャルワーカー等への先行接種もキャンセル枠等の活用により海老名市は比較的上手くいっているようにも感じています。あとは、変な誤解が広まらなければいいなと思います。