電子契約と押印の今後

先日、“組織が発行するデータの信頼性を確保する制度に関する検討会”で議論もされていましたが、今後は新型コロナウィルス感染症の影響から電子契約は進展していくのではないかと思います。そこで、国会図書館でも調査がなされて「電子契約・電子署名の概要と課題」として論点等がまとめらています。

はじめに

 新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、政府や企業では、これまでの書面・対面・押印の手続を見直し、オンラインのみで完結する電子契約や電子申請を積極的に取り入れようとする機運が高まっている令和2年7月、政府は、経済団体とともに、「「書面、押印、対面」を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言」を採択した。宣言では、社会課題として顕在化した「書面、押印、対面」を見直し、行政手続と民間取引の双方におけるデジタル化を推進することが掲げられ、民間取引に関しては押印の廃止や書面の電子化、電子署名の活用等が挙げられた。電子署名については、近年、クラウドを利用した新しいタイプの電子署名サービスが出現し、迅速性や利便性を背景に普及しつつある。令和2年7月の「企業IT利活用動向追跡調査」によると、取引先との間で電子契約を採用していると回答した企業は約4割であった。さらに、電子契約を今後採用することを検討していると回答した企業は4割弱存在し、企業の電子契約への関心の高さがうかがえる。一方、企業が電子契約を採用する上で、「電子署名及び認証業務に関する法律」を始めとする関係法律の解釈が明瞭でない点が問題となっていた。これに対処するため、近時、関係省庁が法解釈に関する見解を相次いで発表した。本稿では、電子契約及び電子署名の概要をまとめるとともに、関係省庁が発表した電子署名法の解釈に関する見解について概説し、今後の課題を論じる。

電子契約・電子署名の概要と課題 調査と情報―ISSUE BRIEF― 1135

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