これからの地域包括ケアシステム

日本で進行中の高齢社会は、ここ海老名市でも着実に進んでいます。だからこそ団塊の世代の波がやってくる2025年を目標に、地域包括ケアシステムの確立を!と様々な取り組みが進められてきていました。地域包括ケアシステムは、できるだけ多くの高齢者が施設ではなく地元で元気に楽しく生きていけるように、地域全体で生活しやすい環境を作ったり、医療・介護などとも連携できるようにしようだとかの全体の仕組みのことです。

私が住んでいるさつき町は、私が生まれた年に一期の団地群が、その5年後に2期目の団地群が建設された場所で、その頃からの住人が一斉に年を取っており急激な高齢化が進んでいる地域でもあります。そこで、医師会からの働き掛けもあってモデル的な取り組みとして、常設高齢者サロンが運営されたり、食事会が催されたり、高齢者見守り組織が結成されたり、買い物支援としてイオンが出展したり、医療相談がなされたり、定期的に人を集めての運動や勉強、食事会といった様々な取り組みがなされてきました。しかし、この新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、ほぼ全ての取り組みが一時停止しています。もちろんさつき町だけではなく、他の地域でも似たようなものだと思います。

これまで、地域包括ケアシステムの取り組みと言えば、地元の高齢者を周りの住民と積極的にコミュニケーションが取れるようにする、つまり会話ができる環境を作ることで、外出を促したり、健康に気を遣うようにしたりといったことを目指してきたように思います。しかし、緊急事態宣言もありステイホームと言われて家に閉じこもる今の環境は2025年問題に対しては真逆の対応を取らざるを得なくなってしましました。このままでは体力低下が進み、ちょっとした運動も難しくなってしまったり、認知症が進んでしまったりして、要介護・要支援の方々が増えてしまう。そんな危機感を感じています。

今は確かに、直接の死亡リスクを考えれば新型コロナウイルスへの対策が重要ではありますが、そこをばかりを気にして少し先に見えている2025年問題を無視しても良いというわけでもなく、いかにバランスをとりつつ取り組むのか。自治体は、非常に難しい問題を突きつけられています。とはいえ、自分の身体のことはまず自分。本来、こういうところがまずは自助。日々のちょっとした運動を行って、新型コロナウイルスからだけではなく、体力低下からも自分の身体を守りながら生活をしてかなければいけないですね。

加えて、自治体としては、もし、新型コロナウイルスが完全に収束せず、一定のリスクとして残った場合も考えた地域包括ケアシステムのこれからのあり方についてもしっかりと検討していかなければならないと思っています。仮定に対してもしっかり備えておくことこそが政治の責任であると私は思います。

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