統計データ

私は、新型コロナに関する情報についてTwitterを注視している。特に、“Hiroshi Makita Ph.D.”のアカウントで解説をしてくれているコロラド先生のコメントは参考にさせていただいています。検査数が限られることによる統計の崩れなど、これまで様々なデータの解釈に参考になる発信を続けていただいて勉強になります。全てをうのみにするのはどうかと思いますが、様々な視点を参考にしてみてはどうでしょうか。さて、今回は、そんなコロラド先生が1/20に書かれた連続ツィートを紹介させていただきます。

緊急事態宣言のおかげで実効再生産数が下がったとか寝ぼけたことを言っている奴がたくさんいるようだが、それは絶対に無い。緊急医事態宣言にはその影響に僕も注目しているが、その影響はモビリティ(移動傾向)に直ちに現れる。しかし、新規感染者数に現れるのは、本邦では14日後。そもそも、ウィルスへの曝露=感染発生日から発症までは平均5日ですよ。本邦では無症状感染者の検査はしないので最も感染性が高いインキュベーション期間の無症状感染者がすり抜けている。これは韓国や中国、台湾を除けばだいたい世界全体で同一。そして、発症から病院にたどり着き、検査にたどり着くまでが長くかかる。これは、エピデミックが進行すると外来と検査が圧迫されるので長くなる傾向にある。

実は九月頃は、本邦の感染日から統計化・公表までの時間は12日±2日まで短縮していた。しかし現在は14+日。これは12月頃から顕著。12月以降、感染発生日=ウィルスへの曝露日から統計公表までの期間は、14日程度と考えておけばだいたい正しい。もちろん、患者個々人によって数字には幅が出るが、統計の挙動は14日で問題ない。合衆国は、200万検査/日という凄い国だが、実は感染発生日から統計公表まで20日で、伸びる傾向にある。要するに、1/12に緊急事態宣言が実態を持ったとすれば、その影響が統計に表れるのは1/26頃。

実は、12/29から日本全体で移動傾向が目立って下がっており、アナウンス効果もあって1/11迄継続していたが、緊急事態宣言がショボかったためか宣言後、移動傾向は上がっている。で、今週(1/18の週)に入って(先週末頃から)実効再生産数が下がった下がったと騒いでいる人がいるが、これは数日前から指摘しているように、昨年12/25クリスマス前後に発生した感染が統計に表れているクリスマスBig Spikeが収束したための一過性の実効再生産数の下振れ。殆ど意味がない。

ロックダウンをすると、直ちに感染の発生は減少するが、ロックダウンの効果が統計に表れるのはその二週間後。これを勘違いしてロックダウンは効果が無いと騒ぐ人も居るが武漢に始まり今の欧州までロックダウンの効果は14日前後の後にてきめんに統計に表れてきている。

2021/1/20 コロラド先生連続ツイートより

自分の中では潜伏期間の分布で統計に出てくるようなイメージで考えていましたが、発症から検査、確定までの時間まで含めると14日程度がかかって、それが統計に表れるというのは認識の修正が必要でした。

確かに、先日の西村大臣の記者会見でも、統計への反映は14日程度がかかるので、今の行動を制限してほしいといった発言も。日々の感染者数の増減は過去の状況を反映していると考えて、これから先を想定しつつ備えていくことが大事ですね。


この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事