選挙に対する考え方

これは私独自の考え方だと思いますが、ここに記しておきます。

私は、選挙のことを「選挙戦」と表現し、争いごとや戦争になぞらえることが嫌いです。この考え方には、出陣式や陣中見舞いといった言葉も含まれます。この考え方では、様々な活動を通じて一人でも多くの有権者を獲得した候補者が勝者とされます。その結果、特に出身地がその自治体でない政治家は、様々な理由をつけて戸別訪問などを行い、面識を持つことで得票につなげるとされています。確かに、面識のある人に投票する傾向は、票獲得に有利です。しかし、この考え方を突き詰めると、地域の全ての活動が選挙目当てになりがちで、本当の意味で地域に馴染むことが難しくなります。「選挙で落選したらどこかに行ってしまうのでは」という印象を与えかねません。実際、少なくない議員経験者が海老名を去っています。ただ、政治家になりたいだけだったのではと、批判されても仕方ありません。

しかし、地方自治体では二元代表制による間接民主主義が導入されています。地域の意見や似た属性を持つ人々の意見を代弁するために議員が選ばれるのです。候補者は、他の候補者との違いを明確にし、選択肢を提供することが求められます。そうすることで、現在の海老名市民の意見を反映した議会が構成されるはずです。この過程では、囲い込みを考慮せず、ただ選択肢を提供するだけです。近しい人でも、より意見が近い候補者を選んでもらうのが望ましいでしょう。これが、間接民主主義の基本だと私は考えています。

実際、私が後援会作りに積極的になれないのは、この考え方が理由です。しかし、それ以上に、政治家になりたいだけの人とは、似た属性を持つ人は少ないはずです。多くの市民は、地域でしっかりと根を下ろし、生活を営んでいます。日常生活や地域活動もその一環です。だからこそ、政治家としてではなく、その地域に住む市民としての生活を送りながら、普通に感じたことや見聞きしたことを基に、政治に活かしていくべきです。これが、特に地方自治体における政治家の理想像だと思っています。

ただし、これは理想論です。実際に選挙になると、地域活動や実績を挙げて支持を求めなければなりません。これは私にとって心苦しい部分ですが、自分を選択肢として示し、判断を仰ぐことが本来の目的であって、票を獲得することではないと考えています。ですので、当選しても落選しても、それは星のめぐりあわせだと受け入れることにしています。

さて、今回の選挙は、本当に多くのことを考えさせられます。私の選挙に対する考え方は上述の通りですが、これは候補者の属性や情報が正確に伝わることが大前提です。しかし、私の知る限り、いくつかの問題を抱えながらそれを公表せずに選挙に出馬している方々がいます。このことで私はやりきれない思いで選挙期間を過ごしています。投票する側が、滲み出す本質を感じ取ってくれれば良いのですが、果たしてどうなるでしょうか。

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