早いもので市議会議員として10年が過ぎました。市議会議長会からは表彰状を頂きました。色々ありましたが、今では議会運営を担う中核のポジションにまで来ていると感じています。
「間接民主主義における議員は個々が市民を代表しており、その総体としての議会の意見は市民の意見を代弁している。」
と考えることができるのが議会制民主主義です。市が行おうとしている事業などをしっかりと理解して判断をするためには議員側も理解のために一定以上の時間を費やす必要があります。そのため、技術がどんなに進歩したとしても人間側が理解のために費やす時間を他社に委託する間接民主主義からはどうしても抜け出すことができないと思います。直感的には反対だ!と思っていても、よくよく聞くと仕方がないものは数多くあります。予算の制約があったり、色んな住民がいたり、過去の色々があったり、と考えないといけないことは様々です。それらの調整の結果も複雑に混じりあって、賛否を考えると、直感的には反対だと思ったけど賛成するしかない。といったことも実は数多くあります。
だからこそ、議員の総体である議会が重要になります。あくまでも市民全体の意見として議会の意見は見られます。だからこそ、個々の議員の判断だけを市民の意見というのは簡単ですが危ういですし、そういったことを理解するに至らないと「自分は市民派議員だ!」などと平気で言えてしまうことになります。当たり前ですが、議員全員がそうですし、市民間の対立を煽る行為になってしまうわけです。
さて、そんな間接民主主義における市民の代表者としての議員は、そうであると同時に議会という機関の構成員でもあります。議会を運営するためには、議員が会議を取り仕切らなければなりませんし、議論をまとめなければなりません。そこは、中立性が求められるため、市役所職員では問題が出てくることにもなります。だからこそ、議長が必要ですし、委員会制を引いているために委員長も必要になります。そういった、議会としての活動を活発化するために動ける議員が必要になりますが、それは新人議員では難しいのが現実です。なぜなら、議員に立候補するからと言って会議をまとめた経験があるとは限りませんし、法や条例を理解しているわけでも実は無いからです。議員になって初めて法や条例を知り、学ぶことになります。学ばない人もいるため、議員になれば出来るようになるわけでもありません。
私が、これまでの経験の中で副議長や各常任委員会の委員長や議会運営委員会の委員長などを歴任できたのは、それだけの勉強をしてきたということもあります。
他市に比べても、海老名市議会はしっかりと議会としてのあり方を議論してきました。某大学がまとめている議会改革度という尺度でも決して低くありません。これからも取り組みを進めていきたいですね。