厚木基地の住宅防音工事補助対象区域に係る再告示に際しての問題解決を求める意見書

 厚木基地の住宅防音工事の件は、陳情で届いている通り、厚木基地周辺の航空機騒音は、空母艦載機の岩国移駐に伴い、その程度が大幅に低減されてはいます。良いこととして考えられますが、この騒音の減少を踏まえ、国では、令和4年度から騒音測定を開始して、令和6年度以降早期での補助対象区域の見直し(再告示)を行おうとしています。明らかに騒音自体が減ってはいますので当然と言えば当然です。ただ、だとしたらなぜ陳情が?となります。ここにW値80および75区域内に所在する逆転現象を伴う告示後住宅という大きな問題がかかわってきます。

 告示後住宅の工事は、昭和61年9月10日に告示された住宅防音工事対象区域内のW値85区域に所在し、昭和61年9月11日から平成18年1月17日までに建てられた住宅が対象になります。問題は、平成18年に再告示が行われた再告示です。平成18年の再告示では、相模原や茅ヶ崎など広範囲にわたるエリアが対象とされました。その地域についてはW値80及び75も対象とされています。しかし、問題の告示後住宅に対しては、平成18年1月17日告示の対象エリア内であるにも関わらず、昭和61年9月10日までに建てられていなければ対象とならない逆転現象が起こりました。

 平成18年までに建てられた同様の住宅でも新たに対象として含まれた相模原や茅ヶ崎の住宅は防音工事の対象になるにもかかわらず、問題の告示後住宅については対象となりません。それでも、もはや騒音自体が過去のものであり、100%激甚騒音が発生しないということであれば、良いのかもしれません。ただ、硫黄島悪天候時のFCLP実施など、米軍に提供されたままの厚木基地においては周辺住民が何の前触れもなく激甚騒音にさらされる恐れがないとは言えません。加えて、最初に書いた騒音自体が減ったことに伴う補助対象区域の見直しが加わってきます。本来、補助対象区域とされていて工事を希望している場合は、仮に補助対象区域の見直しが行われたとしても、補助対象になるとされています。しかし、現時点で補助対象とされていない、問題の告示後住宅については未来永劫補助対象には含まれないことになります。そのことを危惧しての陳情でもありました。そこで、この問題については国で問題を解決してもらうしかないと会派で意見書を取りまとめることを決めて作成したわけです。こちらについては全員賛成で意見書を議決することができました。

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