3月定例会を終えて

年度の切り替わり時期は忙しいですね。すでにかなりの日数が経ってしまいましたが、ようやく少し気持ちの上で余裕が出来ましたので、3月定例会について記したいと思います。


3月定例会は、例年、年度当初予算が計上される大事な議会です。地方自治体の財政運営については神野先生の解説が詳しいのでそちらを参照していただければと思いますが、民間企業とは少し異なる総計予算主義の原則と予算事前議決の原則に基づき議会での議決を得ることになるため、議会では翌年度1年間の事業内容全体に対して、その是非の判断を行わなければなりません。今回は、久しぶりに委員長ではなくひとりの委員として質疑させていただきました。正直、委員として質疑するのは気分的にはずいぶんと気が楽です。委員長がいかに気を張っているかというのを実感したように思います。それに、行政側に直接、委員会の場で質疑できるというのはありがたいとも感じました。委員長は審議中は原則中立となります。本会議場では最終的に賛否を表すものの、委員会審議中は賛否に関わる発言をしてしまった場合には委員長として委員会を捌くことは許されません。この考え方があるために副委員長は、いつ何時、委員長と交代するかわからないことから、質疑は一番最後とされていて、質疑内容についても細心の注意を払わなければならないとされています。なので、実は委員会でも委員長は副委員長と交代して質疑することができるとされてはいますが、まず質疑はなされません。委員長が最大会派から選ばれる理由でもありますが、委員長以外に会派から委員が所属することになりますので、その方にお願いして質疑してもらったりします。ただ、自分で質疑するわけではないので微妙なニュアンスとかが違ったり、深いところまではお願いしにくかったりといったところがあって難しいんです。しかし今回は委員ということもあり、そういったこともありません。加えて、委員長の時は各委員が行う質疑が議論に集中できているのかどうかをしっかり判断して議題からそれないようにしなければなりません。なので、長時間にわたり気を抜けません。全ての委員の質疑に耳を傾け、常に気を張っていなければなりません。昼食後は集中力が低下することがあるため昼食を少なくしたり抜いたりすることもあります。もちろん委員の際も他の委員の質疑は聞いていますが、それとは別物の集中力が必要になります。かなりの緊張感です。そういった緊張感を経験するかどうかは結構大きなことだと思っています。そういった苦労を経験しての今だからこそわかる委員として質疑することの気楽さというものを感じているわけです。その分、他のことにも集中して取り組ませていただいてはいますので、トータルでは非常に疲れる3月定例会ではあったわけですが…

ということで、3月定例会では一般質問以外に意見書と決議を起案しました。意見書は、「藤沢・厚木簡易裁判所への家庭裁判所出張所の併設と管轄区域の見直しを求める意見書」というもので、現行では家事事件について裁判所へ申し立てを行う場合は、海老名の場合横浜本庁までいかなければならないのを見直してほしいというものです。弁護士会からの要望ではありますが、ひとりの市民としても、見直しが必要と判断し会派での議論を経て、内容を海老名市民にとって必要だと思われる内容に変更した上で提案したものです。もうひとつは、決議で、「ロシアによるウクライナ侵略及び核兵器の威嚇等に対し断固抗議する決議」です。私としては全議員の連名をもって抗議の意思を強く表明することを提案したのですが、某無会派議員がなかなか賛同しなかったことから、仕方なく会派代表者と無会派議員による連名での提案となりました。案文の叩き台作りから、修正までかなり細かく対応していたのですが実に残念です。会派での取りまとめ段階でも実は議員の合意を得ることはかなり大変な作業です。その上で全議員の合意を得ようという努力をしているということを果たして理解しているのだろうかと感じてしまいます。それでも全議員の賛成が今回は大事であるという会派としての判断のもとに進めましたが、今後、今回の件は心に刻んでおきたいと感じました。

その他には、当初予算の主要な部分について定例会3日目の代表質疑で行ったやり取りをもとにして会派報告を作成しました。新聞折込によって皆さんの手元に届けさせていただきましたが、新聞を取っておられないところには届かないというのが難しいところですね。

そんな諸々があった3月定例会の最中ですが、新型コロナによる感染拡大が我が家にも影響を及ぼしました。娘が通う保育園で園児の感染が確認されたことから登園自粛要請があり、約一週間ほど保育園に通えない事態になりました。こういった時の取り決めが議会内でも整備がなされておらず、娘に午前中、家で留守番をしてもらって午後は議員の控室で会派の議員に面倒を見てもらって凌いだこともありました。こうやって書いていても改めて大変な一ヵ月だったなと感じるところです。

いずれにせよ、そういった色々はありましたが無事に3月定例会を終えることができました。議案にまつわる様々なことは、また別途書かせていただきます。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事